
音楽映画はお好きでしょうか?
私は映画自体は平均すると週に1本程度しか観ないので、コアな映画好きではありません。
ですが、仕事も趣味も音楽にまつわる事ばかりですので、”音楽を題材にした映画”については多く観ている方かと思います。
何しろ、普段ずっと関わっているテーマですから、感情移入や状況の理解はしやすいですし、細かな描写に気がつきやすかったりもするので、楽しみやすいと言えるかもしれません。
このブログでは以前、「音楽(サントラが最高なオススメ海外映画6選)」という記事を書きました。
今回は、作品のテーマ自体が音楽を題材にしたオススメの音楽映画を6作品、ご紹介していきたいと思います。
シング・ストリート 未来へのうた


シング・ストリート 未来へのうた [DVD]
上映年: 2016年
監督: ジョン・カーニー
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボイントン他
製作国:アイルランド
1985年のダブリンを舞台にした恋愛とバンドをテーマにした青春映画。
シングストリート高校に通う少年が、一目惚れした女性に声をかけ、気をひくために組んでもいないバンドへのMV出演を持ちかけ、その嘘を実現するべくバンドを結成する。
そこからのバンド活動や恋愛を描いた物語となるのですが、とてつもなく甘酸っぱくて繊細で、当時すでにアラフォーだった私ですら少年の気持ちになれました笑。
活動のプロセスもしっかり描写さえれているので、バンドマンやその周りのマネージャーなどの気分も味わえますし、それを抜いても恋愛映画としてもとても素晴らしいです。
すべてをあなたに


すべてをあなたに [DVD]
上映年: 1996年
監督: トム・ハンクス
出演:トム・ハンクス、リヴ・タイラー、トム・エヴェレット・スコット他
製作国:アメリカ
原題は「That Thing You Do」。
トムハンクス監督・脚本・出演のバンドマンを題材にした青春ストーリー。
劇中音楽の全てがこの映画の為の書き下ろし楽曲となっており、中でも映画内での架空のバンド、THE WONDERSによる主題歌「That Thing You Do」は実際にもヒット曲となり、多くのファンを生みました。
この楽曲は、今年亡くなられてしまったFOUNTAINS OF WAYNEのアダム・シュレシンジャー作曲によるもので、パワーポップを代表する楽曲としても音楽ファンに愛好されています。(ちなみに、FOWは私が最も好きなバンドです。)
割と定番的なバンド結成からのサクセス物の要素も強いですが、かなり強い音楽愛を作品のベースから感じることができますし、単にサクセスして「やったぜ!」というアメリカっぽい大味さは薄く、バンド活動を続けていく繊細さも丁寧に描かれています。
ハイ・フィデリティ


ハイ・フィデリティ 特別版 [DVD]
上映年: 2000年
監督: スティーヴン・フリアーズ
出演:ジョン・キューザック、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ジャック・ブラック他
製作国:アメリカ
ある程度コアな音楽ファンにはお馴染みのニック・ホーンビィの同名小説の映画化。
音楽好きには常にグッとくるテーマの作品ばかりの彼の小説ですが、これは自分にとって特別でした。
題材は、小さな個人経営の中古レコード・ショップを営む30代の独身男性を主人公にした恋愛物語。
小説の発売時や映画の公開時にはこの作品の事を知らず、後追いで小説、映画という順で観たのですが、まさに”中古レコード店オーナーの独身男性”とは自分と全く同じで衝撃を受けました。(年齢こそまだ20代でしたが。)
音楽が大好き過ぎてレコード店を始めるような人は(当時の自分も)、商売感覚よりもレコード愛を優先してしまうような、ハタから見ればいわゆるダメ男が確かに多いですし、そのことをとてもリアルに描いています。
自分と重ね合わせて観ることはできずとも、リアルなヒューマンドラマとしても優秀な作品ですし、音楽もホーンビィ作品らしい、いぶし銀な選曲できっとどなたでも楽しめると思います。
24アワー・パーティー・ピープル


24アワー・パーティ・ピープル(24 Hour Party People)[DVD]
上映年: 2002年
監督: マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーヴ・クーガン他
製作国:イギリス
マンチェスターのインディーレーベル、Factory Recordsのオーナーであるトニー・ウィルソンの回顧録を軸に、彼が仕掛けた伝説的なクラブ、”ハシエンダ”やそこから始まるマンチェスター・ムーブメントが事細かに描かれていきます。
私にとってはまさにバイブルと呼べる映画ですし、同じように思っている音楽ファンや関係者も多いはずです。
クリエイションレコードやファクトリーのようなマンチェスターのバンドを特に愛していた自分は、狂喜乱舞して公開直後に映画館に駆け込みました。笑
内容は、トニーの証言をもとにしているだけに、かなり細かい情報も多く、ドキュメンタリー・タッチに仕上がっています。
イアン・カーティスやピーター・フックならまだしも、映画のスクリーンの中で、マーティン・ハネットやピーター・サヴィルが出てくる(役者ですが)なんて、それだけで大興奮過ぎて意識が散り過ぎてしまい、映画館のあともDVDなどでなんども観てしまいました。
ある種マニアックというかマンチェやハシエンダに特化した内容の映画なので、そういった音楽やカルチャーに興味がない人が観て面白いのかはなんとも言えませんが、興味がある人であれば確実に観て損はない映画だと思います。
音楽(サントラ)は、このシーンでは比較的入門編的なアーティストや楽曲がメインなので、 「マンチェって何?」という方にもコンピレーション盤としてオススメできる内容です。
さらば青春の光


さらば青春の光 [DVD]
上映年: 1979年
監督: フランク・ロッダム
出演:フィル・ダニエルズ、スティング他
製作国:イギリス
音楽映画と言えば、やっぱりコレ。
60年代のいわゆるオリジナル・モッズの日常を描いた映画です。
20歳くらいの頃、かなりモッズ音楽にハマったのですが、その際にこの映画を初めて観た時は最高にシビレました。
ファッションや音楽だけではない”様式”としてのモダーンズがとても良く伝わってきますし、ストーリーもテンポ良くダレずに一気に観れます。
各国、各時代のユース・カルチャーを描いた映画は数多くありますが、当時を生で知らずともリアルがヒシヒシと伝わってくるベストと呼べる傑作です。
スクール・オブ・ロック


スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
上映年: 2003年
監督: リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック他
製作国:アメリカ
今回紹介する中では、最も分かりやすい内容だと思います。
臨時教師として赴任した主人公が、その生徒達にロックや楽器を教え、バンドコンテストに出場するというストーリー。
ジャック・ブラックとジョーン・キューザックという「ハイ・フィデリティ」でも見られた共演も嬉しいです。
お馴染みの有名バンドの名前や楽曲も数多く作中に登場し、主人公もパブリック・イメージ通りの”ロック”を体現した振る舞いで、ストーリーだけでなくとにかく”分かりやすい”作品なので、小難しい事は考えずにスカッと映画を楽しみたい人には特にオススメです。
まとめ
やっぱり今回もサントラの時と同じく、「あ、入れ忘れていた。」という作品もあとで出てくるかもしれませんが、だとしてもリストアップした作品に間違いはないと思います。
青春映画というか、若者を描いた作品がほとんどですが、できればその作品の主人公などと近い年齢の時にこういった映画は観て欲しいところではあります。
境遇が近いほど理解もしやすいですし、何より刺激をストレートに受けることができると思いますので、もし10代20代の方がこの記事に辿り着いてくれたなら、騙されたと思って是非観てもらえたら嬉しいです。
あと、今回の映画もサントラを買って損はないレベルに音楽も良いと思っています。
ではまた◎

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